医療法人 まつもと耳鼻咽喉科クリニックは、平成18年4月18日、三国町三国東にて開業いたしました。そして、翌19年に医療法人となりました。現在、開業して9年が経過しようとしています。
耳鼻咽喉科は耳、鼻、のど、そして近年は頭頸部と、非常に広い分野を担っており、患者さんの年齢も生直後から老年まで、ほぼすべての年齢にわたっています。こうしたなか、三国町、坂井町、あわら市、春江町、福井市沿岸部を主として、ごく一部には福井市中心部、石川県加賀市、他県の旅行者からも当院をご利用いただいている現状を踏まえ、開業前の理念と、開業後6年間の間に自ずとできあがってきた当院の診療理念、スタイルをホームページにて公開する時期に来たと判断しました。
本院の特徴は、まず、めまいの患者さんの治療にあると思います。前任の三国病院20年間に、数の多かっためまいの症例に一例一例悩む日が続き、福井医大の平衡神経外来と、阪大などの講習会や論文で得た知識をもとに毎日実例にあたっていたことから、地域では、いつしかめまいの先生として定着していったのだろうと思います。必然のなせるわざで、大学時代は一時は腫瘍を志していたことを思うと、運命的なものを感じます。開業当時は、めまいは頭が原因のこともあり、入院を要することもままある疾患なので、無床のクリニックとして扱っていけるのか、という不安もありましたが、MRIが必要な症例は近隣の病院へ依頼し、入院が必要な場合は福井市の病院などに紹介しています。ここ8年間の間に平衡機能検査、聴力検査、場合により点滴、ベッドサイドモニターの活用、採血、血圧、SpO₂の測定と手際よく流れが進む体制を整えていっております。
第二の特徴は、子供さんへの治療です。現在は、効果的な内服薬も開発されており、特に5歳以下のお子さんの場合は内科的治療、鼻汁の吸引が主となります。症状により必要な場合は、保護者の方とよく相談したうえで、鼓膜切開、鼓膜チューブ挿入術を行っています。
第三の特徴は、耳下腺、顎下腺、甲状腺のエコーです。顎下腺の唾石を見つけたり、甲状腺の腫瘍の穿刺(細胞診)などに活用しています。
第四は、花粉症に対するレーザー治療です。福井医大大学院時代、腫瘍に対するレーザー治療の研究を行っていたこともあり、さすがにレーザーを持った手の動きはなめらかであると自分勝手に自負しております。現在、レーザーの種類と照射する対象は違っても、施行後、患者さんに鼻が楽になったと言われると、感慨深いものがあります。
時代は変わり、治療法だけでなく、医療に対する患者さん、その家族の方の考えも大きく様変わりする中で、時代のニーズに合ったリーズナブルな治療を心掛けていきたい、と考える次第であります。