中耳炎
中耳炎
中耳炎は鼻の奥にいる細菌が耳管を通って、耳の奥にある中耳に感染し、炎症を起こす病気です。
子どもは耳管が短く傾斜もなだらかなため、ウィルスに感染しやすくなっています。
こんな症状の場合は注意!
①風邪をひいて、耳に痛みを感じる
②鼓膜が腫れている
③耳の痛みを伴い、耳垂れが出ている
④耳垂れに伴い、聞こえが悪い
急性中耳炎
3歳以下のお子様の80%が一度はかかると言われています。カゼなどの鼻水が原因で鼓膜の奥に細菌やウイルスが入り、急性の炎症がおきてウミがたまる病気で、一般の方が思われているような耳の外から水や菌が入って急性中耳炎になる事はほとんどありません。
乳幼児の場合は何回も再発し、重症化、難治化することもあります。
<治療法>
初期の場合は抗生剤と鼻水をおさえる薬で治療していきます。
通常、治るまでには約5日から2週間程度かかりますので、完全になおるまで治療継続が必要です。(炎症の程度により治るまでの期間が異なります。)
膿がたまり鼓膜が腫れ、痛みが強いときや、高熱が持続する場合は急性中耳炎の痛みを取り、熱を下げるために、鼓膜切開(鼓膜に2~3mm穴を空け、鼓膜の奥に溜まっている液を除去)をし、膿を出して治します。ただ、当院ではできるだけ鼓膜切開をしないで完治することを目標にしております。
ちなみに切開した鼓膜は数日間で塞がります。
滲出性中耳炎
滲出性中耳炎は中耳に滲出液といわれる水がたまり、音が聞こえにくくなる中耳炎です。この滲出液はお風呂やプールの水がたまったものではなく、鼓膜の換気が正常に機能せず、鼓膜の奥(中耳腔)に滲出してきた体内にある水分です。
滲出性中耳炎は急性中耳炎が完治せずに膿が滲出液となって発症するケースが大半です。そのほかにも副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの病気でアデノイドが大きい場合も滲出性中耳炎にかかりやすいです。
<治療法>
まずは抗生剤と鼻水をおさえる薬で治療します。そして、ネブライザーによる治療で鼻をきれいにし、滲出性中耳炎を悪化させる要因を取り除きます。
「耳管通気」といわれる耳管に空気を通して、滲出液が抜けやすくなる治療をします。
そのほかにも鼓膜マッサージを施して、治療するケースもあります。
ただ、症状によっては鼓膜に小さな(2mm程度)穴を開け液体を出したり(鼓膜切開術)、手術(鼓膜チューブ挿入術)が必要になる場合もあります。年齢にもよりますが、上記の手術はほとんど痛みなく出来ます。
なお、幼児や小児の場合は風邪を引くと急性中耳炎(耳の痛みや熱が出る)になることがありますので、体調管理は重要です。